肌の再生と若返りにつながる線維芽細胞移植術

顔のどの部位の治療が可能なの?

自分の皮膚から線維芽細胞を取り出して培養して増やしたものを再び移植する線維芽細胞移植術。この治療では、細胞を1cc単位で分けてさまざまな部位に移植します。

目尻や眉間、額、ほうれい線、口元など、シワの気になる部位の他、頬や目のクマ、まぶたなど、加齢にともなって痩せてしまう部分にもピンポイントで移植可能。ただし、顔については全体で4ccまでの移植という制限が設けられています。つまり、顔全体で移植できるのは4カ所までとなります。

顔以外の部位では、例えば首や手の甲などへの移植も人気です。顔のシワはもちろん気になりますが、首や手のシワも意外と気になるところ。首や手の甲への移植は専用の機械を用いて皮膚を吸引しながら針を刺す水光注射を行うケースが多く、痛みも少ないのが特徴です。

手術を受けるにあたっての注意事項は?

線維芽細胞移植術は最新の再生医療の1つです。再生医療のなかでも高度な技術が必要なため、厚生労働省へ治療についての計画書を提出し、認められたところでしか治療できないのです。そのため、現在のところ治療を受けることができるクリニックの数は限られており、どこでも手軽に受けられる治療ではありません。

また、線維芽細胞移植術は、最初に皮膚から細胞を採取し、それを培養して増やしたうえで移植します。そのため、採取・培養・移植という3つのステップが必要です。皮膚は耳の後ろから採取します。そして、その皮膚から採取した線維芽細胞の培養には5週間程度の時間が必要となります。そのため、「治療したい!」と思った時にすぐに治療ができるわけではないというところにも注意が必要です。

一時的な治療ではなく根本的な老化対策になる?

肌のハリや弾力をキープするには、加齢や紫外線によって減少していく真皮層のコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などの成分を補う必要があります。これを手軽に行うのが、シワ対策としてよく知られているヒアルロン酸の注入です。

しかし、線維芽細胞移植術は自分の皮膚から採取した線維芽細胞を培養によって増やして移植します。これは、真皮層のメカニズムと大きく関係しています。実は真皮層にはコラーゲンとエラスチン、ヒアルロン酸という成分があることがわかっていますが、これらを生成しているのが線維芽細胞という幹細胞なのです。そのため、この線維芽細胞を培養して移植すれば、ハリや弾力に不可欠な真皮層の成分を増やすことにつながると考えられているのです。これはつまり、肌の若返りと言うことができるでしょう。

とはいえ、一度治療を行って終わりというわけではありません。1年~2年に1回程度は定期的に治療を行う必要があります。